DNeasy PowerSoil Kit(パワーソイル) プロトコル 【DNA抽出】
パワーソイルとは
主に土壌サンプルからDNAを抽出する際に利用されるキットです。
ビーズ破砕によるDNA抽出を簡便に行うことが出来ます。だいたい6サンプルで1時間ぐらいが目安。*1
注意点として、nanoドロップ*2でDNA量を測るときはきれいな波長が出ない時があることが挙げられます。(基本的に波長は汚い上に、DNA量はマイナスになることがある)
しかし、PCRかけて電気泳動かけるとバンドが確認できるので基本的にDNAが抽出できていることは確かです。
プロトコル
- 0.25 gのサンプルをPowerBead Tubeに加えて、優しくボルテックスする。
- 60 µlのC1液を加えて、何回か反転懸濁し、一瞬ボルテックスする。
※C1液にはSDSが含まれており、低温ではこれが沈殿する場合がある。沈殿が見られる場合は、60℃以下で温めてSDSを溶かす。
- Vortex adapterにしっかりと水平になるようにPowerBead Tubeを取り付ける。
- 10分間最大回転数でボルテックスする。
※サンプル数が12個以上ある場合は、ボルテックスにかける時間を5~10分増やす。ビーズが細胞を破壊することでDNAを抽出する。
- 10000×gで30秒間遠心する。
- 上澄み液を400~500 µl取り、Collection Tubeに移す。
- 250 µlのC2液を加えて5秒間ボルテックスにかける。その後、2~8℃で5分間インキュベートする。
- 10000×gで1分間遠心する。
- ペレットをとらないように、最大600 µlの上澄み液を2 mlのエッペンチューブに移す。
※ペレット*3にはDNAが含まれないため、高いDNA濃度を得るためにはこのペレットをとらないようにする。
- 200 µlのC3液を加え、一瞬ボルテックスにかける。その後、2~8℃で5分間インキュベートする。
- 10000×gで1分間遠心する。
- ペレットを取り除くために、最大750 µlの上澄み液を2 mlのCollection Tubeに移す。
- C4液をよく懸濁して、1200 µl加える。5秒間ボルテックスする。
※C4液は高濃度塩水であり、DNAと結合する。次の操作14を行うことで不純物を分離することができる。
- 13から675 lをMBスピンカラムにとり、10000×gで1分間遠心する。下にたまった液体は捨てる。
※DNAはMBスピンカラムのシリカメンブレンに結合するが、不純物は結合しないので、DNAを分離することができる。
- 操作14をもう一度行う。
- C5液を500 µl加え、10000×gで30秒間遠心する。
※C5液はエタノールをベースとした洗浄液である。
- 下にたまった液体を捨てる。さらにもう一度10000×gで1分間遠心する。
- MBスピンカラムを2 mlのCollection Tubeの中に慎重に移す。
- 中心に位置する白色のフィルターメンブレンにC6液を100 µl加える。
※C6液… pH8.5 10mM Tris-HCL
- 室温、10000×gで30秒間遠心をかける。MBスピンカラムは捨てる。
DNAは-20℃~-80℃で保管する。
※本記事による実験の失敗は保障致しかねますので、ご了承ください。