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リラックス・ストレス軽減効果が期待できる呼吸法とは?

 

リラックス・ストレス軽減効果がある呼吸法とは!?

リラックス・ストレス軽減効果がある呼吸法は「数息観(すそくかん)」と呼ばれています。この方法は座禅で利用される呼吸方法です。

集中力向上やリラックス効果が期待できます。

 

数息観のやり方

お腹をへこませながら息を吸い、お腹を膨らませながら息を吐く
これが基本動作になります。

  1.   息を吸います。息を吸う時はお腹をへこませる感じを意識してください。きつくなるまで息を吸う必要はありません。普段の呼吸より多めに息を吸うくらいです。
  2. 2~3秒ほど息を止めます。
    ※私は1秒しか息を止めていません。私の場合、2秒以上息を止めると苦しくなり、自然な呼吸ができなくります。数息観は自然な呼吸が大事なようです。
  3. 息を吐くときは、お腹を膨らませる感じを意識してください。息を吐くと同時に肩の力もスッと抜いていけると更に良いです。


こんな感じで呼吸を行います。普段の呼吸だと、無意識にお腹を膨らませながら息を吸い、お腹をへこませながら息を吐いていると思います。これは、腹式呼吸と呼ばれます。この呼吸方法とは違うので、気を付けてください。

 

本当に数息観は効果があるのか? 論文を探ってみた!!

この呼吸方法が本当に効果があるのか疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。私もそのうちの一人です。

そこで、論文を検索してみたところ、清和大学の麓 正樹氏が書かれた「スムーズな動作につながる呼吸法と力の抜き方」という論文を見つけました。

この論文によると、数息観を5分間行った時点から被験者からα波が見られ、その後α波の出現頻度は増大して頻繁に確認されたと報告しています。

α波とは、人間の脳から出る、脳波の五種類の内の一種です。 ドイツの科学者、ハンス・ベルガーによると、α波は、周波数でいうと8Hzから13Hzの範囲の脳波で、落ち着いた状態の時に出る脳波と述べられています。*1

このことから、数息観がリラックス効果をもたらすことが分かります!!

以下は論文の引用箇所です.

我々は坐禅で行われる意識的な呼吸法を,坐禅の経験の
無い被験者を対象に,以下のように行わせた 。
被験者に自らの腹筋筋電図をオシロスコープ上で確認できるように
工夫し,呼気時間は 9 ~ 12 秒,吸気時間は 6 ~ 8 秒となる
ように大まかにセットした.被験者には腹筋を意識した呼
吸法(腹筋呼吸法)を無理なく,しかしできるだけしっか
りと行うように指示した.開眼状態で 20 分間の呼吸法を
行わせると,呼吸法開始後約 5 分の時点からα波が出現し,
その後α波の出現頻度は増大して頻回に観察されるように
なった(図 1).*2

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図1 開眼状態で行われた呼吸法時の脳波変化.

 

数息観の使いどころ

  • 仕事や勉強で疲れた時
  • 緊張している時
  • 寝る前に心を落ち着かせたい時 

 などがあげられるのではないでしょうか?特に、仕事や勉強中は効果が高いと思います。

なぜ仕事・勉強中に効果があるのか

仕事や勉強中に、人は思った以上に呼吸が浅くなります。特に、マスクを着けている際は、さらに呼吸が浅くなってしまいます。

実際に勉強中や仕事中に息苦しくなったことはありませんか?考え事をしている時に無呼吸に近い状態になる方もいらっしゃるみたいです。

そのため、仕事・勉強中に脳に酸素を送り込むという意味でも非常に効果があると考えています。

 

スポーツの前にも最適

有田秀穂らにより、 脳幹の縫線核にあるセロトニン神経が活性化され,その下行性投射によって運動ニューロンが促通され,姿勢が安定し筋力発揮が容易になる仮説*3が提唱されています。

これは、呼吸により、運動ニューロンをを促通させて筋力発揮を容易にする可能性を秘
めていることを示しています。

よって科学的にも呼吸の有用性は示されつつあるようです。

 

まとめ


数息観は、リラックス・ストレス軽減効果と共に、運動ニューロンをを促通させて筋力発揮を容易にする可能性を秘めています!!

この呼吸方法は、何百年という歴史を経て人類が生み出してきた、集中するための呼吸方法です。これを使わない手はありません。

最近は、毀滅の刃で呼吸も有名になってきました。是非ここで、「数息観」、習得してみてはいかがでしょうか?

 

 

*1:

【α波(アルファ波)】科学的観点から見る音楽の力 | ヒーリングプラザ – "心と身体にやさしい" 癒しの音楽とすぐ役に立つ癒し情報をお届け

*2:麓 正樹 (2011) スムーズな動作につながる呼吸法と力の抜き方 バイオメカニズム学会誌,Vol. 35, No. 3 177~180

*3:有田秀穂 , 鈴木郁子 , 麓正樹 , 毛利右子 , 関由成 , 中谷康司 : リズム性運動と脳幹セロトニン神経 , 自律神経 ,41(3), 338-342, (2004)が提唱されています。 

(引用元:小さな星がほらひとつより)